2013年9月議会における「東海市議会の議員定数削減反対討論  

辻井タカ子討論

日本共産党議員団を代表して、ただいま上程されました「議員提出議案第1号 東海市議会の議員の定数を定める条例の一部改正について」反対の立場で討論を行います。

平成21年12月議会において、市民から「議員定数を現行どおり据え置くことを求める請願書」及び「東海市議会議員の定数削減を(24名から21名)求める請願書」がだされたことはご承知の通りです。日本共産党議員団は、この採択にあたって、「定数削減の請願書」に反対し「議員定数を据え置くことを求める請願書」に賛成の立場で討論を致しました。
 今回の提出議案は、議員定数を24名から2名削減する内容となっています。

私ども日本共産党議員団が反対する第1の理由は、市民の暮らしを守る上で、今まさに24名の議員が必要だという実感からです。
 市民生活は、生活保護世帯や要保護世帯、幼児を保育園に預けて働く共働き世帯、一人暮らし高齢者の増加など厳しさを増しています。このような中にあって行政課題は、緊急かつ、多様化しています。
 我が党市議員団へも、日々、市民からの切実な声が寄せられており、それは議場の各議員も同様ではないでしょうか。
 私自身にも、「障害者ですがバリアフリーの住宅に入りたいが家賃が高くて困っています」「仕事が無くなり生活できない、途方に暮れています」「入院ができたものの医療費が払えない」「農業の後継者がいない」等の相談が寄せられています。
 私たち議員が、それぞれの地域で市民の暮らしを支えるために懸命に活動することがますます求められていると考えます。
 また、前回議員定数を28名から24名に削減されて以降、本会議や委員会の開催時間が大幅に減少しており、議会の審議がおざなりになる傾向が見られことも重大です。
 議員が多様な市民の声を議会に反映させるという機能を持っている以上、議員の削減は市民の声を切り捨てる事にもなりかねません。

2つ目の理由は、市民の中に「議員数を減らすべき」という声がある事への対応についてです。
 平成18年に、日本世論調査会が全国規模で行った地方自治に関する調査の中で、議員・議会への不満の理由が大きく5点示されています。多い者の順で「議会活動が十分伝わらない」「行政のチェック機能を果たしていない」「議員のモラルが低い」「議会内での取引を優先して審議が不透明」「議会の政策立案能力が低い」等です。
 このような議員・議会に対する不満・不信を払拭し、市民の信頼を高めて行くためには、議会が日夜研鑽し、市民の負託に応える議会活動の前進と、市民の代表としての議会の審査能力、立法能力を充実させていく事が一義的な対応ではないでしょうか。
 東海市議会はその議会改革の取り組みの一つとして、「議会基本条例の制定」「議会の政治倫理要項の策定」に取り組み、今議会に置いて議会基本条例が全会一致で可決された所です。
 こうした議会のあり方を積極的に示し、市民に理解して頂く事が重要と考えます。

 3つ目の理由は、議員の定数問題は地方政治における民主主義の基本問題という点からです。
 私が、言うまでもなく議会・議員の役割は憲法の地方自治にもとづく、住民からの直接選挙で選ばれた首長と住民の代表である議員で構成する議会との二元代表制の下で、市民の多様な意見をくみ上げ、市政と市民をつなぐパイプ役としての役割、また市政をチェックし、執行機関に対する批判、監視役としての役割、そして政策提案・立法の役割があります。議員定数の削減によって、こうした役割が縮小されることがあってはなりません。
 日本共産党議員団は、議員定数削減反対、先にありきではありません。
 議会基本条例で示された、議員定数のあり方を踏まえて慎重に議論を重ねてきました。平成24年度の知多5市の決算状況調査から、東海市はどうなのか。比べてみると、知多半島で一番人口が多い半田市は119.409人、一般会計歳出は350億5千万円、一般会計の職員数は632人、財政力指数0,95です、議員定数は22名です。
 一方、東海市は人口111,256人、一般会計歳出425億8千万円、財政力指数1,26、職員数799人です。この財政力指数は愛知県下トップ。半田市より財政規模も大きく、職員も多く、さらに本市は2名の副市長を抱えています。人口も増加傾向にあり、お金も人も豊富だといわざるをえません。
 この、東海市の財政力、一般会計規模、執行機関の組織体制などから比べて、議員の組織、構成の根幹となる議員数は現在24人、この議員定数を減らさなければならない根拠が見あたりません。
 行財政改革の視点から議員定数削減が語られることがあります。東海市議会の議会費は市民一人当たりにして3039円です。これは、知多半島5市では政務活動費のない半田市、2418円に次ぐ低い額となっています。また、議会費は全体の予算の1%にも満たない中のそのまた一部である議員報酬分の削減は、金額については意味があるものですが、それよりもしっかり仕事をする議員を選び、行財政の監視機能を高めることにより、無駄な予算は削減していけるものであると考えます。同時に、日本共産党議員団は政務活動費の引き下げ、議員報酬の削減の提案もさせて頂いています。
 二元代表制とは言いながら、まだまだ議会よりも首長に優位な制度であります。今後どんなことが起こるかわからない情勢の中、日本人が戦争という大きな犠牲を払ってやっと手にした国民主権・民主主義を、自ら手放すようなことは、市民の益にはなりません。以上の理由により、本条例の制定に反対するものです。